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平成12年度環境・ゴミ問題小学生作文・絵画コンクール

環境・ゴミ問題を小学生と考える

全国商工会議所婦人会連合会(全商婦連・小泉清子会長)は10月13日、「小学生(環境・ゴミ問題)作文・絵画コンクール」の本審査会を東商ビルで開催した。

同コンクールは平成7年度に始まったもので、今回が6回目。全国の小学生から、作文の部9,924点、絵画の部45,515点の合計55,439点の応募があった。当日は、小泉会長をはじめ、学校、官公庁、商工会議所関係者など18人が審査委員を務め、本審査を行った。

11月8日には神奈川県のパシフィコ横浜で開催された「第32回全国商工会議所婦人会連合会総会」で大臣・長官賞の受賞者8名のうち、作文の部・絵画の部各1名が表彰された。また、会場には、入賞作品が展示された。

(作文の部)
通商大臣賞
『わたしができる小さなこと』
釜石市立小川小学校 四年  山谷加奈

 私の家は、学校まで歩いて十分くらいの所にあります。全校で月に二回やるクリーン作せんの日には、通学路に落ちているゴミを拾いながら登校します。
 この間のクリーン作せんの時にも、おかしのふくろ、タバコのすいがら、ヒモなどが落ちていました。私が拾ったゴミの量は、買い物のふくろで三分の一くらい、全校分をあわせると、四リットルのゴミぶくろいっぱいにもなりました。
 二週間ほど前にも、ゴミひろいをしたばかりなのに、また、ゴミの山です。ゴミを捨てても平気な人がこんなにもいるのかと思ったら、はらが立ってきました。どうして、自分が捨てたゴミでもないのに、こんなに拾わなければいけないんだろうとつい思ったりもしました。
 でも、そういう私だって、ゴミを捨ててしまったことがあります。
 それは、犬のさんぽをしてる時のことです。犬のクロが、道路にふんをしてしまいました。急いでいたし、ビニールぶくろを持っていなかったので、ふんをそのままにして家に帰ってしまいました。でも、家に帰ってからも、ずっと気になってしかたありませんでした。このことがあってからは、犬のさん歩に出かける時には、いつもわすれずにビニールぶくろを持って出かけるようにしています。
 小さなことから、まず実行。道におちているゴミは、見て見ぬふりをしないでひろうようにしたいと思います。ゴミを拾った後にきれいになった所を見ると気もちがすっきりします。ゴミを見つけた時は、めんどうくさいなぁと思うけど拾った後は、いい気もちになります。でももっと大事なことは、ゴミを捨てないことだと思います。小さなことだけど私たちが住んでいる町をよごさないために、私にできることを続けていきたいです。

厚生大臣賞
雷鳥の親子
高岡市立川原小学校 五年  海野麻裕

 「あ、見えた。」
 夏休みに立山へ行った時のことです。室堂でみくりが池を見た後、石段を上っていくとたくさんの人が集まっていました。
「どこに、どこに。」
「向こうに動いているのが、小さく見えるよ。」
雷鳥が見えるらしいのですが、私には何が何だかさっぱりわかりません。一生けん命探しているうちに、ようやく雪の割れ目にいるのが見つかりました。山の土と同じ色をした雷鳥の親子が、ちょこちょこ歩き回っていました。雷鳥は、めったに見られないそうなので、来てよかったなあと思いました。
 ところが、この雷鳥が、私たち人間の残したゴミが原因で、現在三千羽以下になってしまったそうです。ゆで卵のカラからにわとりの伝せん病が広がったり、ゴミでねずみが集まり、きつねが増え、そのきつねが雷鳥をえさにしたりするそうです。「ゴミは持ち帰ろう」「雷鳥に会ったら遠くから見守ってあげてください」雷鳥を絶めつから救うために、立山のあちこちに立て札がありました。
 毎年夏になると、立山には、たくさんの人が訪れます。立山駅から美女平まで、ケーブルカーに乗るときは、へびのように長い列で、気が遠くなりそうです。高原バスも乗るのがやっとです。それにもかかわらず、立山には、ゴミ一つ落ちていませんでした。空気もすんでいて、一面に広がるチングルマやミヤマリンドウをながめていると、別世界にいるような気持ちになりました。自然を愛する人たちの、植物や動物を必死で守ろうという気持ちが、訪れる人たちに伝わるのだと思いました。
 「来年も、雷鳥に会えたらいいね。」
そう言いながら、私は、お母さんと、雷鳥の親子をいつまでも見つめていました。そして、一人一人の小さな心がけが、自然を守る大きな力になるのだと強く思いました。

文部大臣賞
やぶさめ祭りの片すみで
富士宮市立富士見小学校 六年  佐野暁洋

 五月、青葉が輝き出す頃に、ぼくの住む富士宮では、浅間大社のやぶさめ祭りがある。
 待ちに待ったお祭りの日、ぼくは、うきうき気分で、朝早くから友達と出かけた。りんごあめ、バッジ、ゲーム……。並んだ出店を見て歩きながら、ぼくは、何を買おうか、どれで遊ぼうか、真剣に考えていた。
 と、その時、ひよこを売っている出店の裏で、ゴミを拾うおじいさんの姿が、ふと目に留まった。ゴミ袋とゴミばさみを持ち、一人でもくもくと、焼きそばのパックやわりばし、空き缶などを拾っている。お祭りに来た人が平気で捨てたゴミを、年とったおじいさんが後片づけしてくれていたのだ。
 お祭りで心がうかれていたぼくは、何だかちょっと切なくなってしまった。(どこかちがう……。)出した人が責任をもって片づければ、ゴミは山にもならないし、こうして、おじいさんが拾って歩かなくても済む。
 「ゴミの投げ捨てはしない。ゴミは、持ち帰って、きちんと処分しよう。」
当たり前のことが、この時、ぼくの心の中で大きな意味を持ち始めた。
 町は、住む人や訪れた人の心を映す鏡だ。きれいな町は、きれいな心の人々が作るのだ。町の美化―。それは、地球を守る心にも通じる。宇宙から見た地球は、青くて、本当にきれいな星だという。大昔からぼくらを乗せて時間と空間を旅してきた、生きた、すばらしい宇宙船。この星を美しく守っていく努力を、ぼくらは、忘れてはいけない。自分達の住む町や訪れた町を美しく守ることは、ささやかだけど、その第一歩だと思う。
 人々が無造作に捨てていったゴミを、あのおじいさんは、どんな思いで拾っていたことだろう。たくさんの人でにぎわう浅間大社の境内……。やぶさめ祭りの片すみで見たおじいさんの姿が、今も、ぼくの心に残っている。

環境庁長官賞
ちょっと待て
各務原市立八木山小学校 六年  鈴木祐衣

 ヒヤシンスの甘い香りが、私の部屋いっぱいに今漂っています。ペットボトルを切りとって作った手作り容器は、市販の水さい培用の入れ物より深く、根をしっかりのばすことができます。だから、葉をいっぱい広げ、たくさんの花をつけました。
 そのまま捨ててしまえばゴミとなるペットボトルですが、私はペンでまわりにかわいいもようをつけ、オリジナルの容器を作りました。花の咲くのを楽しみに、根がどんどんのびていくのをわくわくしながら観察しました。ちょっとした工夫で、こんな素敵な容器に変身したのです。それ以来、私は物を捨てる時、「ちょっと待て」を心がけるようになりました。すると、案外今まで何気なく捨てていたものでも、いろいろな物に再利用できそうな気がしました。
 マーガリンの空きケースは、スプレーで色をつけ、真ん中に切りこみをいれるとポケットティッシュ入れに変身。コンパクト洗剤の容器に布をはりつけると、便利な手提げつき小物入れに。じょうぶな米袋は、底の角を切り取って土を入れ、じゃがいも栽培にピッタリ。本来の役目を終え、また別の品物へと生まれ変わることができるのです。
「へえ、これがマーガリンの箱なの。よく思いついたね。使いやすくて便利ね。」
と、お母さんに言われた時、何でも捨ててしまっていた自分の考え方をもう一度改めてみる必要を感じました。こうして私は、リサイクル品を作るようになり、友達や家族にもプレゼントとして渡すようになりました。次は何を変身させようかと考えるのも楽しみの一つとなりました。
 リサイクルは水の流れに似ています。一人一人が「ちょっと待て」を心がけ、ゴミを減らす努力をしていけば、住みよい環境作りができると思います。ゴミよ、再び命を持て!

(絵画の部)

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