全国商工会議所女性会連合会環境・福祉委員長賞

がんばれ!!リターナブルびん

国立熊本大学教育学部附属小学校

       四年 津留 靖生

「なつかしいな。昔は、缶やペットボトルな

んかないから、みんなびんだったんだよ。」

と言うお父さんの話に、ぼくは、「これだ。」

と思った。

 この日、ぼくとお父さんは、夏休み親子リ

サイクルウオッチングツアーに参加し、鳥栖

にある環境開発総合センターを見学した。そ

こでは、山のような資源ゴミの中から、缶や

びんが磁選機や手作業で種類や色別に分けら

れていた。その後、製鉄所に運ばれて、高温

でとかされ再利用されるそうだ。ぼくは、再

利用にも、たくさんの手間やエネルギーが必

要なことにおどろいた。

 これまで、ぼくは、ジュースを飲んだ後の

缶やペットボトルは、リサイクルに出せばよ

いと思っていた。しかし、リサイクルも大変

だということや、缶をつぶしたスクラップの

山を見て、もっとよい方法はないかと思った。

 リサイクル工場の次に見学したコカ・コー

ラの工場で、びんに入ったコーラを見た時の

お父さんの話に、ぼくは、とても興味をもっ

た。帰ってから本で調べてみると、びんには、

再利用されるものと、リターナブルびんとい

って再使用されるものがあることがわかった。

リターナブルびんとは、学校の給食の牛乳び

んに使われている洗って何回も使用するびん

のことだ。もし給食の牛乳が、紙パックだっ

たら、毎日たくさんのゴミが出るだろう。

 びんは、重いし割れたりして不便なところ

もある。飲んだ後、お店に返しに行くのも大

変だ。でも、缶やゴミの量を少なくするため

に、もっとリターナブルびんを使うようにし

た方がよいと思う。

ぼくは、まず自分のできる事の一つとして、

これからは、缶やペットボトルはやめて、水

筒を使うようにしようと決めた。

 

経済産業大臣賞・

全国商工会議所女性会連合会環境・福祉委員長賞

「21世紀の子どもとして」

日立市立大みか小学校 五年

          安宅 友樹

 夏休みに入る少し前の事です。学校の授業

で、地域のゴミを調べる事になりました。そ

の時、私の頭の中に、一ヶ月前学校全体で海

遊びに行った時、海に下りる階段や砂浜にた

くさんのゴミが落ちていた事がうかびました。

「あのゴミは、どうなっているかなぁ。」

と、私は思いました。私たち五人の班は、海

岸までゴミ調べに行きました。まだ海びらき

をしていないのに、お弁当のゴミや花火のゴ

ミが、海岸の入り口から波打ちぎわまで、あ

ちらこちらに落ちていました。また、波打ち

ぎわに、ペットボトルなどプラスチクのゴミ

が打ち寄せられていました。日立の海は、海

水浴場になっているくらい日本でもできれい

な海です。でも、こんなにゴミが落ちている

のに、海だけきれいなんてありえません。海

も汚れているのです。また、海だけではなく

私たちの地球も汚れているのです。

 家で家族と話した時知りましたが、江戸時

代の日本は、外国の人が見ておどろくほどき

れいだったそうです。昔の日本では、ゴミの

ほとんどは紙のように燃えるゴミだったと思

います。また食べ物のゴミや、排せつ物もひ

りょうとして利用されていました。今の日本

では、自分たちが便利で清潔でくさくない生

活をしたいために、様々な便利な物が発明さ

れました。しかし、その便利な物のほとんど

はゴミになりました。これから先、人のため

に役立つ物を作る時には、それが地球を汚さ

ないかを第一に考えていくべきです。また、

地域でゴミ拾いの日を決めている所もありま

す。このように、自分が出したゴミだけでは

なく周囲のゴミも拾う事。これは今の私でも

出来る事です。そしてみんなできれいな地球

に住もうと思う心が大切ではないでしょうか。

 自然はかいを防ぐためにも、ゴミをへらす

働きを二十一世紀の子どもとして考え実行し

ていきたいと思います。

 

全国商工会議所女性会連合会環境・福祉委員長賞

ひとりひとりの心の問題

ひたちなか市立前渡小学校

       五年 豊田 美穂

 昨年の夏、阿字ヶ浦の海岸はゴミでよごれ

ていた。グチャグチャにわれたスイカや、つ

きさしたままの花火…。そりゃあすごかった。

このままじゃいけない!だけど何をしていい

のかわからずそのまま夏は終わってしまった。

 今年はお父さんの会社主さいの阿字ヶ浦の

海をきれいにする、ボランティア活動に参加

することができた。毎年1000人以上の人が

協力している。その日は海開きもまだだとい

うのに暑い日で、朝七時ごろにはもう海で遊

んでいる人達がいた。ゴミを拾いながら汗が

顔から吹き出してくる。みんな楽しそうに遊

んでいていいなぁ。私もこんなことやってな

いで海に入りたいよ。遊んでいる人達はだれ

もゴミ拾いなんかには無関心だった。よく考

えてみるとゴミをすてる人がいなかったら、

拾う必要はないし、きれいなままでいられる

よ。そうか、ひとりひとりがゴミをすてない

って心の中で思えばいいんだと思った。

 そんな私達の近くでジュースを飲んでいる

男の人と目が合った。ずっと私達の様子を見

ていたのに、数本のペットボトルを置き去り

にしたまま帰ろうとしている。今、声をかけ

なかったら、今、よびかけて、

「ゴミはすてないで、持ち帰って下さい。」

と言わなかったらだめだ。どうしよう。行っ

てしまう。口がパクパク、足は動かない。あ

っ。……声をかけるどころか、何もできずに

見送ってしまった。暗い気持ちがむねのおく

に広がった。もしかして本当に考えなくては

いけないのは、すてられたゴミじゃなくて、

すてていく人の、ひとりひとりの自分勝手な

心なんだと思った。あの男の人が海をよごし

ている事に気づいてくれたら、もっと海をき

れいにできるのに、残念でならなかった。

 私は、はだしで海をかけまわって波を追い

かけるのが大好きだ。その海を守るために来

年もまたボランティアに参加しようと思った。

 

全国商工会議所女性会連合会環境・福祉委員長賞

木を見て森を見ず

鯖江市立進徳小学校 

      六年 横井 めぐみ

 私は山歩きが大好きです。祖父と四季を問

わず、登って楽しんでいます。全身汗びっし

ょりになり、山の頂上についた時の達成感が

なんともいえないからです。祖父の話では、

昔は山の木に、赤や黄色の山イチゴや山ブド

ウ、アケビがなっていて宝の山の様で、また

違った楽しみもあったと言います。今はそん

な木は切り倒され、杉林になってしまいまし

た。杉の方がお金になったからです。しかし

その杉林も、時代の流れであれた林が増えて

います。また、山歩きの楽しみの一つに、鳥

のかわいらしいさえずりや羽音が聞こえる事

があります。いたちや、狸などの小動物の足

跡を見つける事もあります。

 しかし、人間の文明はそんな鳥や動物の生

態を十分に破かいしてきました。熊が人里に

おりてきて射殺されたり、都会でカラスの被

害が深刻になっているニュースを聞くたびに、

物言えぬ動物たちが、人間本位の文明にイエ

ローカードを出している様に思えます。

 さらに、山を歩いていると、自然に帰らな

いゴミ、即ち、ペットボトルやスーパーの袋

が落ちている時があります。私は、自分が出

したゴミは勿論のこと、落ちているゴミも、

拾って持って帰るようにしています。

 山の土や緑は、動物のすみかになったり、

洪水を防いだり、生活に必要な物になってく

れます。また、森林は海のプランクトンを育

てます。「木を見て森を見ず」ということわ

ざがありますが、目先の便利さや人間の利益

を優先して人は、生命にかかわる大切なもの

を失いつつあります。

 環境問題を考える時、私達人間は、山の自

然から、大きなかけがえのない贈り物をもら

っている事を決して忘れてはいけないと思い

ます。